子どものスギ花粉症について
鼻粘膜のアレルギー反応により、通常は発作的で繰り返し起こるくしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりが主な症状とされます。花粉症は花粉を原因とするアレルギー性鼻炎であり、その代表的なものには春のスギ花粉症が挙げられます。
夏にはイネ科の植物、秋にはブタクサなどの花粉症も見られます。近年、花粉症の発症年齢の低下が見られます。
花粉症にかかる年齢
2~3歳の子どもが花粉症にかかることは珍しくありません。元々アレルギー体質の子どもは、発症のリスクが高くなる傾向があります。
症状が持続すると、集中力の低下につながったり、遊びや勉強に影響を及ぼしたり、睡眠の妨げになったりすることがあります。子どもの花粉症は、保護者が見逃さず、早めに対処する必要があります。
子どもの花粉症の予防も、基本的には大人と同様に、アレルゲンとなる花粉に接触しないことが重要です。
子どもの花粉症の見分け方
子どもの花粉症は低年齢化しており、見極めが難しいといわれています。スギ花粉のシーズンは風邪やインフルエンザがはやる時期と重なりますし、小さなお子様は自分の症状をうまく伝えられないからです。そのためご家族の方が花粉症のサインを見逃さず、早い段階で対処する事が大切です。
最もわかりやすいのは鼻水、鼻づまり、目のかゆみです。鼻をすすったり、目をこすったり、あるいは口をもぐもぐさせるようなしぐさも花粉症のサインの恐れがあります。ちなみに子どもの鼻の穴は大人に比べ小さいため花粉が鼻に入り込みにくいのですが、かゆみやくしゃみの症状が大人より強いのが特徴です。
花粉症のつらい症状は睡眠不足や集中力の低下を招き、勉強や運動に支障をきたすこともあります。お子様の健やかな成長のためにも、適切な花粉症対策は親の大切な役目といえるでしょう。
スギ花粉症の治療
当院は舌下免疫療法と、花粉症の新しい治療のゾレアに対応しています。
舌下免疫療法「シダキュア」
スギまたはダニにアレルギーを持つ人を対象に、アレルギーの原因となるアレルゲンを毎日少量ずつ 服用することで、アレルギー体質の根本的な改善が期待できる治療法です!
こんな⽅におすすめ
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受験を控えている、数年後に受験をするのに鼻炎が⼼配
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スギ花粉のシーズンは薬だけでは症状を抑えきれない
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ダニやハウスダストのアレルギー性鼻炎に困っている
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アレルギー性鼻炎の体質を根本から改善して、 症状から解放されたい
このような効果が期待できます︕
- 目鼻かゆみや涙目の症状が軽減もしくは消失する。
- くしゃみや鼻水、鼻づまりの症状が軽減もしくは消失する。
日々の生活
- 花粉⾶散期の飲み薬の量が減る、あるいは不要になる(スギ花粉症の場合)。
- 治療を続ければ続けるほど、治療効果が⾼まって根治も期待できる。
小さなお子さんも舌下免疫療法が使えます
多くの方に利用されているスギの舌下免疫療法は、当院でも幅広い処方実績と経験がございますので、舌下免疫療法については安心して当院にお任せください。
また、通年性アレルギー性鼻炎の多くはスギ花粉症と関連しています。当院では、ダニだけでなくスギとダニの両方を同時に対象とするDual法の舌下免疫療法も実施しています。
生物学的製剤ゾレア
ゾレアは、生物から産生されるタンパク質などの物質を利用して作られた医薬品であり、一般的な化学合成の医薬品とは異なります。このような医薬品は生物学的製剤と呼ばれ、病気に関連する標的分子に特異的に結合する抗体(タンパク質)を用いています。
花粉症などのアレルギー疾患において重要な役割を果たす"IgE抗体"を標的として作用します。構造が複雑であり、口からの摂取が難しい性質を持つため、主に注射剤として使用されます。
アレルギー反応の「スイッチ」が入らないようにする作用があり、「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」を根本的に抑制する効果が期待されます。
その他の治療もあります
- 抗アレルギー薬の内服
- 抗アレルギー薬の点鼻点眼
- ステロイド内服
- 漢方療法
- 生活指導
花粉症は患者様の症状に合わせて薬の組み合わせをいたします。飲めるお薬や苦手なお薬をしっかり伺い、継続できる治療を行います。 シーズンを通して症状を見ていくことで、検査の必要性や舌下免疫療法の必要性をご相談していきます。
子どもの花粉症の対策
子どもたちは自己防衛や対策をするのが難しいため、保護者のサポートが不可欠です。花粉症患者の約9割がスギ花粉症と言われ、その他にもヒノキ、ブタクサ、イネ科のカモガヤなど の花粉症があります。その数なんと日本人の20%、5人に1人はなんらかの花粉症で悩まれています。周りにはスギがないのになぜスギ花粉症の症状が出るの?と思われるかもしれませんが、スギ花粉の飛散距離は70〜 80kmと言われ、 かなり遠くのスギが影響 しているのです。 スギ花粉以外にもたくさんの花粉がありますので、「どの時期に、どの花粉が飛散するのか」を 把握し、予防しましょう。&
洗濯⽇和は花粉飛散に要注意!
- 晴れていて気温が高い⽇
- ⾬が降った翌⽇
- 空気が乾燥し風が強い⽇
- 気温の高い⽇が2〜3⽇続いた⽇
⽇常⽣活でできる花粉症対策
- テレビやインターネットの花粉飛散情報を確認する。
- メガネやマスクで花粉の侵入をガードする。
- 外干しは厳禁!洗濯物は室内干しや乾燥機を使う。
- 花粉がつきやすい服(ウール等)は着ないようにする。
- 外出先から帰ったら、家の中に入る前に服や髪についた花粉を外で払う。
- 帰宅後は必ずうがい、手洗い、洗顔をする。
- 入浴やシャンプーをするともっと効果的。
- 窓やドアの開けっ放しは厳禁!できる限り開ける回数も少なくする。
- 注意していても家の中に花粉は侵入する。
- こまめに掃除をする。
- 空気清浄機の使用する。
外出を控えめに
花粉の飛散が多い日は特に注意が必要です。特に、一日のうちで飛散が多い時間帯(午後1時〜3時頃※地域によって異なります)は、できる限り外出を控えるようにしましょう。
外出時は完全防備、帰宅時は玄関でシャットアウト
帽子や花粉メガネ、そしてマスクを利用しましょう。寒い季節はウールなど毛足の長いコートに花粉が付着しやすく、それを着たまま部屋に入ると室内に花粉が広がります。コートを選ぶ際には、ツルツルした素材を選びましょう。花粉の侵入を防ぐためには、帰宅後にまず玄関にコートを掛けるスペースを確保し、玄関に入る前にコートの花粉を払い落としてから脱ぎ、そのまま玄関にかけておくと良いでしょう。帰宅後は洗顔やうがいを
帰宅後はできるだけ早くシャワーや入浴を済ませて、体や髪に付いた花粉を洗い流し、家の中に花粉を持ち込まないように心がけましょう。また、鼻うがいも効果的です。当院では専用の鼻うがいキットを販売しています。目を洗う際には、市販のカップ付き洗浄器具は目周囲の皮膚や目に花粉が付着する可能性があるため、お勧めできません。代わりに、防腐剤無添加の人工涙液を頻繁に点眼することをおすすめします。
花粉症と喉について
花粉症とアレルギー性咽喉頭炎
花粉症の場合、鼻と目の症状は一般的に「花粉症の症状」とされますが、喉の症状がなぜ「アレルギー性咽喉頭炎の症状」と見なされるかには理由があります。それぞれの症状の発生メカニズムに違いがあるからです。
鼻の症状は、花粉が鼻の粘膜に付着し、周囲の細胞からアレルギー反応を引き起こすことで生じます。これが典型的な花粉症のメカニズムです。一方、喉の症状も同様にアレルギー反応として現れることがありますが、鼻水が喉に到達して喉の粘膜を刺激し、それによって引き起こされることもあります。
花粉によるアレルギー反応としての喉の症状は、「花粉症の症状」として分類されます。一方で、鼻水が喉の粘膜を傷つけ、それが細菌やウイルスの繁殖を招き、炎症を引き起こす場合は、「アレルギー性咽喉頭炎の症状」と見なされます。
ただし、アレルギー性咽喉頭炎の症状も起源は花粉症なので、治療に用いられる薬は花粉症の治療薬と同様です。
花粉症の喉の症状
- 喉がかゆい
- 咳
- 喉がイガイガする
- 喉がチクチク痛い
花粉症の喉の痛みに対する対処方法
花粉症の代表的な症状といえば「くしゃみ」「鼻水」「目のかゆみ」ですが、意外と多くの方が訴えるのが「のどの痛み」や「イガイガ感」です。これは、花粉が空気中を漂うことでのどの粘膜が刺激され、炎症や乾燥を起こしやすくなるためです。 のどの不快感が長引くと、日常生活の質も低下してしまいます。ここでは、花粉症シーズンを少しでも快適に過ごすための“のどの痛みのセルフケア”についてご紹介します。
花粉症の喉の痛みに対する対処方法
- 室内の湿度を保つ
加湿器を使って50〜60%程度の湿度を維持しましょう。濡れタオルや室内干しも効果的。乾燥を防ぐことで、粘膜のバリア機能を守ります。
- こまめな水分補給 温かい飲み物や水を少しずつこまめに飲み、のどを潤しましょう。はちみつやしょうが入りの飲み物は抗炎症作用もありおすすめです。
- のどケアアイテムの活用 のど飴(マヌカハニーやプロポリス配合)やのどスプレー、うがい薬などを活用して粘膜を保護。口腔内を清潔に保つことも重要です。
- 花粉の侵入を防ぐ習慣 外出時はマスクと眼鏡を着用し、帰宅後はうがい・手洗い・洗顔を徹底。衣類についた花粉は室内に持ち込まないよう注意しましょう。
あだち小児科おすすめのスギ花粉症のホームケア
花粉は家の中にも確実に入り込んでいます。窓を開けたり洗濯物や布団を外に干したりしたときはもちろんのこと、自分や家族が外から持ち込んでいるのです。
部屋の換気をするときは窓を全開にせず少しだけ開けて、網戸やレースのカーテンで花粉の侵入を防ぎます。換気のタイミングは、比較的花粉の飛散量が少ない早朝がおすすめなので、掃除も朝のうちに済ませてしまいましょう。
洗濯は部屋干しが基本です。外に干した場合は室内に取り込むときに、しっかりと花粉を払い落としてください。柔軟剤を使うと静電気の発生を抑えられ、花粉が付きにくくなります。
この時期、外に出す布団干しもお勧めできません。布団乾燥機などを活用して下さい
花粉症の予防や症状の緩和には、免疫機能を高める食生活が良いとされています。免疫が正常に機能すれば、花粉を異物と捉えることもなく、花粉症になりにくいからです。
免疫機能をアップさせるポイントは細胞の酸化(老化)を防ぐこと。主にビタミンやミネラルを多く含む野菜、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸を多く含む魚は抗酸化作用が高いので、積極的に取ることをおすすめします。
抗酸化作用で最近注目されているのが、「ポリフェノール」。赤ワインに含まれるプロアントシアニジンや緑茶に含まれるカテキンなどが代表的ですが、たまねぎに含まれるケルセチンもポリフェノールの一種です。
また、腸内環境を整える食品も花粉症予防には効果的。「乳酸菌」が含まれたヨーグルトやチーズのほか、みそ、納豆、漬物などの発酵食品に加え、食物繊維が豊富な食材も腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を良好に保ちます。
この記事は、
- 日本小児科学会(専門医)
- 日本アレルギー学会(専門医)
- 日本小児アレルギー学会
- 日本小児呼吸器疾患学会
- 日本小児皮膚科学会
- 母子栄養協会 離乳食アドバイザー
黒岩 玲(あだち小児科 院長)が監修しています。

